【感想】わからないことの美学。志方あきこ「caTra」の魅力に迫る

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圧巻の多重コーラスと幻想的な世界観で魅了するアーティスト、志方あきこさんの新譜「caTra」が4月10日にリリースされました。

志方あきこ 架空言語を使用した多重録音コンセプトボーカルアルバム「caTra」公式サイト

筆者はアニメイト限定版を購入したので、スペシャルミニCD「rosTa」がついてきました。

「caTra」と「rosTa」、一体どんな作品なのか?
私見ながら、本記事で語ってみようと思います。

なお、本記事ではアルバムの全体的な感想を書いていきます。
楽曲それぞれのレビューや、音楽的なレビュー、歌詞の解読等は行いませんので、あらかじめご了承ください。

百聞は一見にしかず。試聴動画を見てみよう

一曲目から「!?」となること請け合いです。
その後も、独特でファンタジックな曲調、幾重にも織り合わさるコーラス、一切聞き取れない歌詞… 圧巻の表現が怒濤の如く流れ込んできます。

“これぞ志方あきこ”な一枚

多言語を使いこなし、重厚なコーラスワークで美麗なファンタジー世界を紡ぎ出す。
これこそまさに志方さんの音楽の特徴で、「caTra」はそれらのエッセンスがこれでもかと濃縮された、そんなアルバムになっています。

装丁も一際凝った作りになっており、隅々まで細やかな工夫が施されています。
CDを手に取ると、その恐るべき気迫が指先から伝わってきます。

作中で歌われているのは架空の創作言語で、このアルバムのために志方さん本人がフォントから手作りしたものです。
実はそれ自体は、長く志方さんのファンをやっていると「おお~今回も凝ってるなぁ」ぐらいの日常茶飯事(!?)なのですが、本作品の恐るべき点、それは…

歌詞カードがない。

誰も知らない架空の言語で、わざわざ文字まで作られているのに、ブックレットのどこにも歌詞が書かれていないのです!
これはさすがに前代未聞の仕様です。
きっと世の志方ファンも戦慄したことでしょう…

「caTra」の世界観がそうさせている

定かではありませんが、おそらくこれは「caTra」の世界観によるものです。

ジャケットに描かれた謎の機械、謎の言語。
これらは失われた文明の遺産、ロストテクノロジーであり、現代の研究者がこれに向き合い解析・復元している。
そのような世界観であるということを、志方さんご本人がたびたび話しています。(ミニライブトーク、Ustream配信等)

つまり、それぞれの楽曲で歌われている意味をこの世界の誰も知らない、だから歌詞が書かれていない…
そういうことなのではないかと、個人的に考えています。

わからない、でも、だからこそ美しい

そんなわけで、身も蓋もない言い方をすると「徹頭徹尾意味不明」な本作品。
それでも、イラストや装飾の美しさ、架空言語からあふれるロマン、そして音楽の重厚で幻想的な響き。
意味などなにもわからないのに、思わず知らず惹かれて浸ってしまう世界がそこにあります。

むしろ、意味がわからないからこそ、言葉にならない感覚的な魅力が際立つのかもしれません。
それはロストテクノロジーが持つロマンそのものと言えるでしょう。

解読などして意味を探求して楽しむもよし。
思考を放棄してただcaTraの世界に想いを馳せるもよし。

わからないことの魅力を存分に味わえる、非常に奥の深い作品となっています。

「rosTa」について

では、アニメイト限定版についてくるスペシャルミニCD「rosTa」は、一体何者なのでしょうか。

内容としては、「caTra」の楽曲のアナザーバージョンやインストゥルメンタル、書き下ろしの楽曲などが収録されています。

この書き下ろしの楽曲のタイトルが「ロスタ」。
聴いてみると、意外にも「caTra」の楽曲群とはまた異なった和風の曲です。
しかしこれもやはり、歌詞が聞き取れません。
日本語のような、そうでもないような… 歌詞表記がないところを見ると、やはりこれも架空言語なのかもしれません。

だとすると、caTraとrosTaはそれぞれ異なるロストテクノロジーなのかもしれません。
しかもcaTraほど言及されていないところを見ると、rosTaはcaTra以上に研究の進んでいない、ひょっとしたらほとんど伝説じみた文明なのかも。
しかもその言語が日本語っぽい、ということは…?

想像が膨らみますね!

圧倒的な世界観に翻弄され、酔いしれよう

以上、「caTra」と「rosTa」の感想でした。

志方あきこファンはもちろん、「鮮烈な音楽体験をしてみたい」という初めての方にも、本作品は非常におすすめです。
ぜひ一緒に、独特で圧倒的な世界観に翻弄され、酔いしれましょう!

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