ありのままといえば、ご存じ「アナと雪の女王」の劇中歌「Let It Go」が有名ですね。
でも、ひとつ無粋なことを言わせてください。
ありのままがこんなにすごくて美しくてかっこいいからこそ、万人に受け入れられたんですよね。
別にアナ雪やレリゴーには何の恨みもないですよ!
むしろ好きです、特に音楽と映像が本当に。
でも、ふと上記のことに気付いてしまって「あぁ…」って思ったのも事実です。
フィクションだからこんなに魅力的だけど、現実の人間のありのままってダサいじゃないですか。
ご自身のことを振り返ってみてください。
かっこ悪い、情けない、出来が悪い、大したことない…
よほどのナルシストでない限り、誰しもそういうダサい部分を隠し持っているはずです。
本性とか本音も然り。
理想とはほど遠い、醜く汚く泥臭いものを胸の内に抱えていますよね。
でも、そういう部分は人前で出さないようにしてるんですよね。
立場的に都合が悪かったり、恥ずかしかったり、認めたくなかったり、いろいろな理由で。
これは社会生活を送る上では当然のことです。
なにもかも全部ありのままにさらけ出せ!なんて極端なことはもちろん申しません。
でも、ですよ。
だからといって、すごくて美しくてかっこいいものばかり選り分けて表に出していると、自分の首も絞まるし、社会も窮屈になるんです。
すごくて美しくてかっこいいものは好ましい、ありのままのダサいものはよろしくない。
すごくて美しくてかっこいいものは価値がある、ありのままのダサいものは価値がない。
そんな風に意味付けをして、すごくて美しくてかっこいいものばかり肯定していると、ありのままを出す余地がどこにもなくなってしまいます。
成功している。
力がある。
容姿がすぐれている。
能力がすぐれている。
そういう“キラキラした人”が存在感を持ち、声が大きく、もてはやされ、評価される。
頑張っている。
努力している。
前向きで明るい。
力強い。
そういう“かっこいい人”が存在感を持ち、声が大きく、もてはやされ、評価される。
当たり前のことではあるのですが、だからといってそういうものばかりに価値を見出し、そういうものばかりを肯定し、そういうものばかり選り分けて表に出していると、そうでない“ありのままの自分”が苦しい思いをしますよ、ということです。
自分だけに限らず、他の人に対しても同様です。
社会全体がそういう価値観になってしまう一因をあなた自身の手で作ることになるわけです。
何度も言うようですが、社会がそういう風にできているのはごく当然のことです。
上手くいっていない人やダサい人の方が評価される世の中って、ちょっと考えにくいですよね。
ですが、そこをわかった上で個人レベルで意識を変えてみる、というのなら大いにアリなんじゃないかと思うんです。
そんなわけで、私自身、あえてダサいありのままを表に出してやろうじゃないか!という感じで生きています。
かっこ悪いこと。
情けないこと。
出来が悪いこと。
大したことないこと。
一般受けしない趣味嗜好。
ドン引きされそうな本音。
このブログやTwitterをご覧になっている方はよくよくご存じのことと思います(笑)
こういう生き方をしている同志、残念ながらなかなか見つけることができません。
この生き方が良い悪いと言いたいわけではなくて、単純に仲間が少なくて心細いんですよね。
で、同じように思っている人、多分たくさんいるんだろうなとも思うんです。
すごくて美しくてかっこいいものやひとの影に隠れて見えないだけで。
なので、そういう人間がここにおりますということを、この場でひっそりアピールしておきたい次第です。
少しでも同志の心の支えになれたら嬉しいし、このテーマについて気に留めてくれる人が増えたならなお嬉しいです。
Let it go!