手持ちのスマホやPCで、サイトやブログを閲覧するのと同じ感覚で、バーチャル空間に遊びに行ける――そんな時代がもう来ていることをご存知ですか?
しかもそこでは、あの「同人誌即売会」も開催されているんです。
自宅にいながら、3Dのアバターの姿になって、会場内を自由に見て回り、買い物やコミュニケーションを楽しむ……。
けっして未来の話ではありません。
2021年現在、すでに実現していて、誰でも参加できるんです!
本記事では、バーチャル同人誌即売会『ComicVket』と、参加方法のひとつである『Vket Cloud』について、VR未経験の初心者さんに向けて解説します。
筆者もVRについては超初心者ですので、皆さんと同じ目線でわかりやすくご説明できると思います。
どうぞ安心して読み進めてくださいね。
ComicVketとは?
『ComicVket(コミックブイケット)』は、VR法人HIKKYが主催するバーチャル同人誌即売会です。
どんなイベントなのかは、次の動画を見ていただけるとイメージしやすいと思います。
2020年8月13日~16日に開催された『ComicVket1』のコンセプト動画です。
こんな感じで、バーチャル空間上にイベント会場が用意されており、参加者は3Dアバターを操作して自由に見て回ることができます。
気になるサークルがあったら立ち止まって、見本誌を読んだり、オンラインショップで作品を購入したりできます。
同じ空間内に別の参加者がいれば、音声チャットなどでコミュニケーションを取ることもできます。
ComicVketのここがすごい!
筆者はこれまで、2020年の『ComicVket1』に一般参加、2021年の『ComicVket2』にサークル参加をしています。
VR機器は持っておらず、デスクトップPC(しかもゲーミングではない普通のパソコン)から入場しています。
つまり、いわゆるVR体験をしたわけではないんですが、それでも「すごい時代が来た!」とつくづく感動しています。
その場にいる感覚がある
コロナ禍で思うように開催できなくなってしまったイベントを、SNSを使って代替しようという「オンラインイベント」の動きがあちこちで見られますが、それとは体験が完全に別物です。
ComicVketはその場にいる感覚があるんです。
青空の下、街があって、大通りでイベントをやっていて、案内図があって、サークルスペースがずらりと並んで、その間をてくてく歩いて……。
目に映るのは、テキストでも画像でも動画でもない、風景です。
自分自身は単なるアカウントではなく、一人のアバターです。
数あるオンラインイベントの中でも、ComicVketはリアルイベントの体験にもっとも近いと言えるでしょう。
人の気配がある
会場を回っていると、リアルイベントと同じように、他の参加者とすれ違ったりすることがあります。
見本誌を読んでいる横で、知らない人同士の会話が聞こえてきたりもします。
この、すぐそばに人の気配があることも、SNSのオンラインイベントとは一線を画しています。
また、シングルプレイ(自分一人で利用する)やプライベートルーム(仲間内だけで利用する)のモードも選択できます。
「ひとりで落ち着いて見て回りたい」「知り合いだけで気兼ねなく遊びたい」といった、柔軟な楽しみ方ができるところも大きな魅力です。
いつでも何回でも遊びに行ける
リアルの同人誌即売会は開催日時が決まっていて、入場回数も基本的には一度きりですよね。
その点、ComicVketは、開催期間中であればいつでも何回でも遊びに行けます。
これにより、たとえば、
- 隙間時間にちょっと会場を覗いてみよう
- 深夜~早朝にのんびり見て回ろう
- たくさん見て疲れたから、明日また遊びに来よう
- 日を分けながらじっくり見ていって、全サークルコンプリートしよう
- このサークル、○○さんが好きそうだから、週末に連れてきてあげよう
というような、従来ではありえなかった楽しみ方ができるんです。
「時間の制約」から解放された、バーチャルならではの強みですね。
世界中のどこからでも参加できる
ネットが見られる端末と安定した通信環境さえあれば、世界中のどこからでもイベントに参加できます。
都会と地方、国内と国外など、リアルイベントに付き物の「場所の制約」が一気に取り払われます。
これは一般参加者だけでなく、サークルにとっても同様です。
- 地方在住の人
- 海外在住の人
- さまざまな事情でリアルの会場に出向けない人
など、従来のイベントに参加するのが難しかった人でも、気兼ねなく参加することができます。
リアルイベントに並ぶ新しい「場」
実際に参加してみて「これは、リアルの代替ではない新しい“場”だ」と感じました。
もともと『Vket(バーチャルマーケット)』という、VRユーザーのためのバーチャルイベントが2018年から行われていて、ComicVketはその流れの中から誕生しました。
しばしば誤解されますが、両者はまったく別のイベントです。
そこへたまたまコロナ禍が到来して、三密を完全回避したイベントとして、一般層からも注目されるようになった、ということなんです。
一般参加者にとっても、サークルにとっても、ComicVketは可能性と将来性にあふれた、リアルイベントに並ぶ新たな「場」だと言えるでしょう。
手持ちの端末から参加できる
- VRは、特別な機材やハイスペックな端末を持っている人だけが楽しめるもの
- 興味はあるけど、高額な機材を買うのはハードル高い……
- Steam?とかVRChat?とか、知らないことが多すぎて不安……
こんなふうに思っていませんか?
かくいう自分もまさにここが最大の参入障壁だったんですが、そんなあなたに朗報です。
2021年11月6日~14日まで開催中の『ComicVket2』は、普通のスマホやPCで、リンクをタップするだけで参加できます。
アプリのインストールや会員登録は不要です。
ChromeやSafariなど、普段お使いのブラウザ上で動作します。
さあ、さっそく以下のページから入場してみましょう!
……って、あまりに衝撃的というか、いきなりお手軽すぎて、ちょっと理解が追いつきませんよね。
次の章では、これを可能にした『Vket Cloud』というサービスと、具体的な操作方法について詳しくご説明します。
Vket Cloudとは?
『Vket Cloud(ブイケットクラウド)』は、VR法人HIKKYが開発したVRエンジンです。
おもな特徴は以下の通りです。
- リンクをタップして起動する
- ブラウザ上で動作する
- スマホ、PC、タブレット、ヘッドマウントディスプレイで利用できる
- アプリのインストールは不要
- 会員登録も不要
つまり、普段サイトやブログを閲覧しているのと同じ環境で、誰でも今すぐバーチャルの世界を楽しむことができるんです。
百聞は一見に如かず、ぜひ以下のページから『ComicVket2』の世界に飛び込んでみてください!
Vket Cloud操作説明
Vket Cloudの利用方法は極めてシンプルで、説明がなくても直感的に使えるようデザインされています。
本章では、「本当にこういうの初めてで、右も左も全然わからないし、一歩を踏み出す勇気が出ない……!」という方のために、ひと通りの操作方法を画像付きでご紹介していきます。
入場の仕方
まずは以下のページにアクセスします。
『ComicVket2』のVket Cloud入場ページが開きます。
今回は試しに「Entrance」に通常の入室で入ってみましょう。
「Entrance」を選択し、「利用規約とプライバシーポリシーに同意します」にチェックを入れ、「入室」ボタンを押します。
- 入室 ⇒ 同じ空間に他のユーザーがいるモード
- プライベートルーム作成 ⇒ 仲間内だけで利用するモード
- シングルプレイで入室 ⇒ 自分一人だけで利用するモード
ワールドの読み込み中、操作説明が流れるのでチェックしておいてください。
普段、VRや3Dゲームをやらない人は戸惑うかもしれませんが、あれこれ触って慣れていきましょう。
わずかな操作であっという間に「Entrance」エリアに入場することができました!
操作画面
画面上には、
- テキストチャット
- 一人称/三人称視点切り替え
- 各種設定
- 写真撮影
- モーション(いいね、指を差す、手を振る)
- マイクON/OFF
といったボタンがあります。
いろいろ触って動作を確認してみてください。
画面右上「各種設定」ボタンから、アバターを変更することができます。
お好みのアバターでバーチャル世界を駆け回りましょう。
ニックネームもこちらの画面で設定できます。
他のユーザーからも見えます。
コミュニケーションの方法
Vket Cloudでは、
- モーション
- 音声チャット
- テキストチャット
の三つの方法で、他のユーザーとコミュニケーションを取ることができます。
たとえばこちら、私「manakayue」と「chibideko」さんは音声チャットで会話をしています。
「Me」さんはマイクOFFで、テキストチャットに書きこんだり、手を振るなどのモーションでコミュニケーションを取っています。
人それぞれ、都合や好みに合わせて、無理なく楽しくコミュニケーションが取れるので、初めての方も安心して飛びこんでみてください。
見本誌やカタログの見方
『ComicVket2』では、各サークルスペースで見本誌やカタログを見ることができます。
サークルスペースの前に立つと、右の方に指差しマークが出ます。
その状態でクリックすると、
数ページの見本誌を読むことができます。
見本誌画面右下、緑の本のマークをクリックするとカタログのページが開きます。
カタログでは、サークルのサイト、SNS、頒布物など、詳しい情報が閲覧できるほか、オンラインショップにアクセスすることができます。
気になる作品を見つけたら、ぜひこちらから購入してみましょう。
初心者さんへワンポイントアドバイス
「ComicVket、遊びに行ってみようかな?」と気になってきた方へ。
VR未経験の初心者さんは、次の二つのポイントを押さえておくと、より安心して楽しめるかと思います。
イヤホンをつけよう
他のユーザーさんと音声で会話する際、イヤホンをつけていないと、相手の声が相手側に跳ね返って聞こえてしまいます。
↓
スピーカーから出てきた声が自端末のマイクに入る
↓
相手に聞こえる、という現象が起こります。
端末の発熱に注意
3DCGの描画は非常に負荷の高い処理なので、スマホやPCが発熱することがあります。
熱がこもったまま使い続けると、突然電源が切れるなどの現象が起こる可能性があります。
端末が熱いなと思ったら、室温を下げたり、扇風機で風を当てたりして冷やしてあげましょう。
夏場など、気温の高い日は要注意です。
まとめ
- 『ComicVket』は、バーチャル空間上で開催される同人誌即売会
- リアルイベントにもっとも近い体験ができる
- 従来ではありえなかった柔軟な楽しみ方ができる
- 『Vket Cloud』は、ブラウザ上で動作するVRエンジン
- 手持ちのスマホやPCから入場できる
VRのイベントに興味があるけれど、参加をためらっている……。
そんな人の背中を押すことができたら、筆者として非常に嬉しく思います。
ぜひ、一緒にComicVketの世界を楽しみましょう!
サークル参加のお知らせ
2021年11月6日~14日開催の『ComicVket2』に、スペース番号『North3 S-12』、サークル名『manakaweb』で出展します。
オリジナルファンタジーをアナログで描いている、絵と物語の創作サークルです。
ペン画絵本『波間の王子 – Prince on the Waves -』や、天然石ブレスレット、イラスト集、ポストカードなどを頒布しますので、よかったら遊びに来てくださいね。