Chromeでの無効化が決定。Flashが名実ともに終焉を迎えている件について

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

Google Chromeにて、年内にAdobe Flash Playerがデフォルトで無効化されるとのニュースが発表されました。

グーグル、「Chrome」で「Flash」を無効化へ–10サイトのみ当面除外 – CNET Japan

最初にこれを知ったとき、さすがに強硬すぎないかと衝撃を受けましたが、あらためて調べてみたところ、然るべき流れ、然るべき時なのかもしれないと思うようになりました。
本記事では、Chromeにおける具体的な措置の内容と、Flashが名実ともに終焉を迎えるに至った経緯、およびFlashの今後の方向性について、簡単にまとめていきたいと思います。

ChromeのFlash無効化についての詳細

「chrome flash」で検索すると関連情報が多数ヒットします。
参考までに、その中から三記事ほど下記に挙げておきます。

グーグル、「Chrome」で「Flash」を無効化へ–10サイトのみ当面除外 – CNET Japan

Google Chrome、Flashに代わってHTML5をデフォルトに – ITmedia エンタープライズ

Flash停止がついにChromeでデフォルトの初期設定になり再生ブロックされることが決定 – GIGAZINE

まとめると、

  • Flashをデフォルトで停止し、代わりにHTML5を優先表示するようになる
  • 2016年内に実施予定
  • Flashを用いたサイトを利用する場合、ユーザーが手動でFlashを有効化する必要がある

ということになります。
Flashを用いたサイトが一切利用できなくなるというわけではありません。
とはいえ、段階を踏みつつ将来的にはそうなっていくだろうということは明らかです。

なお、今更ではありますが、ここで言われているChromeとはPC用のものを指します。
ご存じの通り、スマートフォンやタブレットはChromeに限らずすべてのブラウザにおいてFlash非対応となっています。

Flashが終焉を迎えるに至った経緯

Flashが斜陽の技術であることは何年も前から指摘されていました。
決定的だったのは、iPhoneとAndroidがFlashをサポートしなかったことでしょうか。
これが2010年頃のことになります。

iPhone OSがFlashをサポートしない6つの理由 – ジョブズ氏が説明 | マイナビニュース

Flashが過去のものとされるようになったのは、主に下記のような理由によります。

  • HTML, CSS, JavaScriptなどのオープンなWeb標準にそぐわない
  • セキュリティやパフォーマンスに問題がある
  • スマートデバイスのタッチ操作に向いていない(=スマホで非対応となった)
  • Adobeの対応スピードが遅い

この辺りの事情については下記の記事に詳しくまとめられています。

Flashはなぜその役割を終えたのか | UX MILK

スマートフォンでの非対応が最大の要因と思われますが、二点目についても非常に深刻で、下記のような致命的な脆弱性が月に一度にも及ぶ頻度で見つかっています。

Flash脆弱性、対策しにくい「ゼロデイ攻撃」とは : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

このゼロデイ攻撃を理由に、これまでにも各社ブラウザが一時的にFlashを停止させるなどの措置を取ったことがありました。
いつも通りにサイトを訪れたらなぜかFlashが無効になっており、手動で有効にした経験はないでしょうか?
まさにそれがFlashの脆弱性に対する臨時対応だったのです。

Flash ProfessionalからAnimate CCへ

そんなFlashですが、開発元たるAdobe自身も時代の流れを受け、FlashからHTML5へシフトしています。
従来のFlash編集ソフト・Flash Professionalは、2016年2月、Animate CCに名称を変えて最新版がリリースされました。
このAnimate CCでは、HTML5 CanvasやWebGLなど、HTML5ベースのフォーマットで出力ができるようになっています。

Adobe Flash Professional を Adobe Animate CC に名称変更 | Adobe Creative Station

こうしてFlashという看板が失われたことからも、Flashが名実ともに終焉を迎えていることは明らかと言えるでしょう。

FlashベースのWebサービスの対応が待たれる

以上のように、Flashは着実に過去の技術となってきています。
しかしながら、動画配信サービスやブラウザゲームなど、今でもFlashは様々な場面で広く利用されており、現時点ではまだまだ現役です。
各社ブラウザのFlashサポートの完全停止は(さすがに)当分先の話と思われます。

とはいえ、終焉に向けて待ったなしの段階に入ったことは疑いようもない事実です。
Flashを用いた各種Webサービスは、急ぎ対応を迫られる状況になったと言えるでしょう。

以上、ChromeのFlash停止の新仕様についてと、Flashのこれまでとこれからについて、簡単にまとめさせていただきました。
本記事の内容についてお気づきの点がありましたら、こちらからご一報いただけますと幸いです。